これまで7つの記事に渡って、自己肯定感について勉強してまいりました。
最後に、自己肯定感のまとめと注意点について紹介をします。
それでは、共に学びましょう!
ティラノ博士、こんにちわ!
この前は自己肯定感について長〜い説明をしてくれてありがとう!
こんにちわ、こぶおくん。
(長いとは失礼だのん・・・)
で、結局、自己肯定感ってなんなの?
本当に子育てに重要なの?
長すぎて混乱するのも無理はないのん。
それでは最後にまとめるのん。
目次
自己肯定感
自己肯定感は、下記のように定義されています。
「ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的、好意的に受け止めることができる感覚」
では、自己肯定感が高いとどのようなメリットがあるのでしょうか。
自己肯定感のメリット
- 主体性があること
- 言動/行動が前向きであること
- 失敗を恐れずに、挑戦すること
- レジリエンスが高いこと(レジリエンスは、失敗から立ち直る「回復力」のこと)
また自分以外の人や事柄に対して肯定的な目を持つことができると考えられています。
- 仕事、学校などの社会活動に情熱を持って、粘り強く取り組むことができること
- 他者と深い信頼関係を構築できること
- 他者や他のグループに影響を与えられることができること
- 他人に協力的になれること
一方、自己肯定感が低いとこのようなことが挙げられます。
- 他者と自分を比較してしまう。
- 承認欲求が強く、他者に依存してしまう。
- 失敗を恐れて、挑戦ができない。
- 反対意見を受け入れられない。
自分への自信が無いことから、他者を見てしまう。失敗した不完全な自分が怖くて、挑戦ができない傾向にあります。
また自分のことが認められないため、他者からの承認を求める傾向が強いです。
自己肯定感の強い人は、自身の不完全な部分を含めて、自分自身を認めています。
他者から改善を求められる意見をもらっても、自覚しているので、それを受け入れ、柔軟に対応をしていくのです。
形成時期
- 自己肯定感は、生後4ヶ月ごろからママやパパの言葉で、形成し始めること
- 自己肯定感は、10歳ごろでピークを迎え、思春期などの要因で下がること
形成プロセス
大きく下記の図のようなプロセスで自己肯定感が形成されると考えられています。
引用:福島教育センター
上記の図から分かるように自己肯定感を育む登場人物として、「本人」と「他者」が必要になります。
幼少期の子どもにとっては、ママパパとのやりとりが、自己肯定感を高めるポイントになります。
本人=我が子、他者=ママパパ
ママパパが子どもの、自己理解・自己受容・他者理解・他者受容をリードすることが任務となります。
4項目の意味や深め方などは下記の記事で紹介しておりますので、ご参考にしてください。
自己理解 「自分の性格や考えなどの特徴を理解すること」
tomonihaguhagu.com/ママパパの言葉が自己肯定感を高める〜自己肯定/
自己受容 「今の不完全な自分を「価値がある自分」と捉え、一生懸命生きていく生き様」
tomonihaguhagu.com/ママパパの言葉が子供の自己肯定感を高める〜自/
tomonihaguhagu.com/ママパパの言葉が子供の自己肯定感を高める〜自-2/
他者理解 「相手の立場に立って物事を想像し、相手を理解しようとする姿勢」
tomonihaguhagu.com/ママパパの言葉が子どもの自己肯定感を高める〜/
他者受容 「自分は周囲の人から受容されている、自分は周りからサポート(支援)されているという気持ち」
tomonihaguhagu.com/ママパパの言葉が自己肯定感を高める〜他者受容/
注意点
ここまで自己肯定感に関して、勉強をしてきました。
一方で、自己肯定感を否定する情報もあります。
実際、アメリカのカルフォルニア州において、子どもの自己肯定感を育成するためのプロジェクトチームが立ち上がり、推進した記録があります。
目的は、犯罪を減らし、学業成績を上げ、10代の妊娠や薬物乱用などの社会問題を無くすことでした。
保護者も学校も子どもの知性をほめるように促され、子どもに「自分が頭が良い」と感じさせる取り組みを行いました。
例えば、野球の試合で勝っても負けても、全員が賞がもらえるなど。
しかし、結果は何も効果がなかった、と結論づけています。
ほめるという行動は、適切になさなければマイナスの力にもなりかねない。一種の麻薬のようになってしまい、生徒を強くするのではなく、他人の意見に依存した受け身の人間にしてしまう。
Carol S. Dweck スタンフォード大学心理学部 教授
ん〜なんでだろうか。州をあげて取り組んでもあまり意味がないのか。
こればっかりはわからないのん。
自己理解や他者理解などの過程をしておらず、ただ単に「ほめる」しかしていなかった可能性もあるのん。
確かに。
でも自己肯定感を高める4つの過程は複雑すぎるよ。
頭で理解したとしても、実践できそうにないよ。
確かにそうだのん。
これを実践できるのは時間と労力と計画性が必要だのん。
じゃあどうすればいいの?
広く、長い視野で見ることだのん。
自己肯定感だけが、子どもが深めるべき力ではないのん。
他にも多くの力があってこそ、子どもの可能性を引き出すことができるのん。
スタンフォード大学心理学部 デュエック教授は、GRITを伸ばすべき、とも伝えているのん。
なるほど。
自己肯定感は長い目で見て、他の力も同時につけるようの心がけることってことね。
例に出した、GRITって何?
聞いたことあるけど。
まあ、今日はまだ仕事があるから今度にするのん。
(もう疲れたのん・・・。)
じゃ。
あ、まってよオオオオオ。
いつも通り、強引だな〜。
また教えてね〜、ありがと〜。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自己肯定感に関する育児書は、本屋さんに行くと目につくことが多いのではないでしょうか。
しかし育児に正解がない、と言われるように自己肯定感がすべてではありません。
そして自己肯定感の形成は、4つの過程を経てやっと形成されるという時間のかかる作業になります。
ティラノ博士の言うように「長い目で、そして広い目で見る」のが良いかもしれません。
「知らないでやるよりも、知っていて意識してやる」
一先ず、自己肯定感に関しては理解した状態にありますので、少しずつでも意識的にやれれば良いかと思います。
また一方で、子どもの可能性を引き出すための力は多く存在しています。
焦らず、じっくり子どもとやりとりを進めていきましょう。
この記事によって少しでも読者の方々の意識と行動に変化があれば幸いです。
未来ある子ども達のためにも、共に学んでいきましょう!
それじゃ、Have a nice day!