ママパパの話しかける言葉の数が、赤ちゃんの能力に与える影響

この記事でわかることは、親が赤ちゃんに話しかける言葉の量が、我が子の能力にプラスの影響を与えるという事実です。知らないでやるのと、知っていて意識してやるのでは違います。少しでも行動変容につながればと考えております。それでは共に学んでいきましょう!

こぶお
こぶお

赤ちゃんに話しかけることが、8つの力を伸ばすと言っていただけども、本当に話しかける意味ってあるの?

こぶおの言う通り、誰もが疑問に思うところだのん。
過去の研究者たちがそれを紹介しているので、今日はそれを紹介するのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ

「赤ちゃんに話しかけることが、赤ちゃんの発育の要素に関連している」と気づいた研究者ダナ・サスキンド(シカゴ大学医学大学院・小児外科教授)の話を紹介します。

ダナ・サスキンドは2名の耳の聞こえない患者に出会います。

一人は生後8ヶ月の子(ザック)、もう一人は生後7ヶ月の子(ミッシェル)。

二人とも人工内耳移植を受け、耳が聞こえるようになりました。

その後、2人が小学3年生になった時、ミッシェルは手話を主体としたクラスに在籍していました。音声言語は最低限で、読字レベルは幼稚園レベルでした。

一方、ザックは公立小学校に通い、読み書きや算数は標準レベルで、友達と遊ぶことのできる元気な子に育っていました。

一体何が二人を分けたのか?

家庭環境です。

ザックの家は、話す声、読む声、歌う声で溢れていた。一方ミッシェルの家では声が少なかった、とのことでした。

こぶお
こぶお

なるほどね。
でも、たったこれだけの事例じゃ、信じられないよ。

これはダナ博士が最初の気づいた「赤ちゃんに話しかけること」への違和感の話だのん。
次に複数の子供で行った研究を紹介するのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ

42の家族の子どもを、生後9ヶ月から3歳まで観察をした研究を紹介します。

対象の家族は、世帯年収や家族の職業、母親の教育年数、両親の学歴などから4つのグループに分けられました。

毎月1度、1回あたり1時間、観察者が家庭内の会話を録音し、下記の3つを記録&分析をしました。

  • 子供がしたこと
  • 子供がされたこと
  • 子供の周りで起きたこと
こぶお
こぶお

これは期待できそうな研究だね。
実際、自分以外の家族の日常なんてわからないからね。

この研究の結果が出るまで6年もかかったそうだのん。
研究者達は研究期間中、誰一人休まず、献身的に研究を進めたそうだのん。
正に、不屈の精神だのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

6年も!?すごいね。
で、結果は?

こぶおは、もう少し研究者の苦労を知るべきのん。
それでは早速その結果を紹介するのん。

目次

親の言葉の量

分析した結果、特に違いがあったのが、親が話しかける言葉の量でした。

【子供達が聞いた言葉】

最も多い家族:2000語/時間

最も少ない家族:600語/時間

【子供に対する親の反応】

最も多い家族:250回/時間

最も少ない家族:50回以下/時間

【言葉による承認】

最も多い家族:40回/時間

最も少ない家族:4回/時間

こぶお
こぶお

1400語も差があるの!?
と驚いたけど、実際1400語ってどれほどの量なんだろうか?

日本人は1分に約300文字話せるのん。
2〜3文字くらいの言葉になると考えると、1分で150個の言葉が生まれると仮定できるのん。
そうなると1400語は、大体10分の会話分になると計算ができるのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

10分か、それならそこまで差はないように思えるね。

この研究で面白かったのは、子供は成長するけど親はあまり変化が見られなかったことだのん。
研究の最初から最後まで、子供に向かって話す親は、一貫して3歳終わりまで子供に話しかけていた。
一方で、研究当初から話さない親は、子供が成長して話すことができるようになっても、話す言葉の量は多くならなかったと報告されているのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

子供が話すようになると、親は話す量が急に増えそうだけど、そうでも無かったんだ。意外。

人の生活や習慣は、中々変えられないということだのん。
そもそも「赤ちゃんに話しかけること」がどんな影響があるか、なんて当時の親にはわからないのん。むしろ我が子に苦労させないためにも、「一生懸命働く」という考えの方が多い気がするのん。それが親として当たり前だのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

ママパパいつもありがとう(泣
で、3年経つとどのくらい差があったの?

ママパパの言葉の3000万語の格差

Dr.ティラノが言うように、この研究では観察当初に親が子供に話す言葉の量は、3歳の時に親が話す言葉の量と相関していたのです。話す親はそれに比例して話しかける言葉量が増えることになれば、それだけ話さない親のいる家庭とより格差が生まれる、というわけです。

先の紹介では、話しかける言葉量が多い層と少ない層で比較すると、子供が聞く言葉の量は1時間で1400語の差がありました。これを生まれてから3歳終わりまでで換算するとどのくらいになるでしょうか。

3000万語の差になります。

1400語 ×12時間 × 365日 × 4年 = 約2500万語

 *1日の半分を起きていると仮定して、1日12時間起きていると計算しています。

更に話しかける量が多い親は、我が子が会話できるようになると更に話す量が多くなります。それにより更にその差は開くと考えられ、3000万語にまで差が生まれると考えられます。

こぶお
こぶお

3000万語・・・途方もない数字だね・・・。

で、それが赤ちゃんにどんな良い影響があったの?

これが、前回紹介した8つの能力の発達に影響していたのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ

ママパパの話しかける言葉には、子供の8つの能力の発達に影響したと報告されています。

  1. 語彙力
  2. 数字の理解
  3. 読み書き
  4. 自己制御と実行力
  5. クリティカルシンキング
  6. 共感力
  7. 創造力
  8. やり抜く力

この観察研究を行った研究者達は、「生後数年間に聞いた言葉の量は、子供の能力に比例する。」と結論づけています。また、子供の能力は家族の経済レベルでも、性別でも、人種でも、生まれた順でもなかったとも伝えています。富裕層のグループでも、貧困層のグループでも、親がよく話していた家族では子供の能力が高く、その反対は子供の能力が低かったとのです。

*富裕層のグループと貧困層のグループで比較すると、富裕層のグループの方が親が話す言葉の量は多かったと報告されています。

また、この研究が終わって6年後、9歳・10歳になった子供たちの言語スキル、学校のテストの点数を調べました。

予想通りではありますが、3歳までに聞いていた言葉の量と言語スキル、学校のテストの点数が相関していたのです。

こぶお
こぶお

経済レベルに関係なく、ママパパの言葉の数に子供の能力が比例する、という所に希望が持てるね。

そうだのん。
ママとパパは、赤ちゃんにとって無くてはならない存在だのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

ただ3000万語の差というけど、言葉が多かったグループの数を目指して、話しかければいいの?
そもそも適正な量がわからないんだけど。

鋭いのん。
確かに赤ちゃんにとって、適正な言葉の量はわかっていないのん。
この研究でわかったのは、「話しかける量が多いほど、赤ちゃんの能力が上がった」と言う事実のん。
なので、ここで大事なのは「赤ちゃんになるべく話しかけること」だのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

確かにそうだね。
この事実を知っていれば、意識して妹に話をできるかも。

そうだのん。
「知らないでやる」のと、「知っていて意識してやる」のでは、だいぶ違うのん。
この事実を知っていれば、意識して行動すると思うのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

ありがとう!
と、言いたいところだけど、親の教育方針などに差があったんじゃないの?

鋭いご指摘で・・・。
実はどの親も皆、しっかりと我が子を育てしようとし、自立した存在に育てようとしたそうだのん。
例えば、ありがとうと言いなさい、トイレに行かなくていいの?など。

こぶお
こぶお

それならどの子供も同じように育ちそうだけど・・・

その通りだのん。
この研究に参加したすべての子供達が、話すことを学び、幼稚園入園に必要な基礎スキルを身についたんだのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

え?能力に差があるんだったら、、少し差がつきそうな気がするけど。

その差が8つの能力だのん。
それは幼稚園入園に必要な必須スキル以上の力だということだのん。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

なるほど、さっき言っていた「子供を自立した存在にする」という教育方針があれば、幼稚園入園に必要な基礎スキルが身につくということかな。
でも、ただ単に親の言葉の量だけで差がつくのかな?言葉の内容に違いはなかったの?

掘り下げてくるのん。
今日は疲れたから、寝るのん。
また今度、教えてあげるのん。じゃ。

Dr.ティラノ
Dr.ティラノ
こぶお
こぶお

おーーーい、ここ重要なところでしょ〜。
(どうせ暇だから、また明日いるだろうな。)

まとめ

  • ママパパが話しかける言葉は、子供の能力の発達に、影響をもたらしたこと
  • ママパパが話しかける言葉の量が多いほど、子供の能力の発達が上がること
  • 子供に話しかけることで影響のある期間は、0歳〜3歳終わりであったこと

みなさま、いかがでしたでしょうか。

ママパパの話しかける言葉が、子供の能力の発達にプラスであり、それは生後0歳の赤ちゃんから影響があるということが既にわかっていたのです。この情報は「3000万語の格差――赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ (著)ダナ・サスキンド」を参考にしました。

私自身、この本を読んだ際、「もっと早く教えてくれよ〜」と思いました。振り返ると、我が子が赤ちゃんの時、話しかけてはいたと思いますが、この本を読んだ後の方がしっかり子供と会話ができ、印象に残っています。Dr.ティラノが言うように「知らないでやるのと、知っていて意識してやるのでは違う」ということが理解できます。意識して子供と話すと、なぜ?どんなだった?など子供がうまく言えないことをサポートして、本来言いたいことや背景の気づきがあるからだと思います。また、まだ言語が話せない赤ちゃんには、何を話そうかな?と意識するようになったからです。

10分多く話せば、1500語が生まれます。これが3歳終わりまでと計算すると、200万語生まれます。少しの意識が大きな差になります。

筋肉質のライオンが言っていました。

「今日が一番若い日です。」

この記事によって、少しでも読者の方々の意識に変化があれば幸いです。

次回は、こぶおの疑問にあった「どんな風に話せば良いのか?」を解説していきます。

未来ある我が子のためにも、共に学んでいきましょう!それじゃHave a nice day!

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